謹賀新年

新年に当たり、イギリスの画家ディヴィット・ホックニー(1937年7月生まれ、86歳)の全世代の人に向けたメッセージが心に響いた。

Be Yourself あなたらしくいなさい。好きなことを見つけてください。心の底から愛せるものにいつか必ず巡りあうことができるでしょう。

NHK日曜美術館

また写真家の星野道夫さんも、同じようなことを仰っている。

大学3、4年の頃に僕の中学時代からの親友が山で遭難して亡くなった。自分の将来について迷っていた時期だったので、このことが気持ちの上で転機になった。自分の一生はこれからもずっと続くと漠然と思っていた意識が崩れ、ある日突然不慮の事故で死んでしまうということもあると気づいたわけです。そこで自暴自棄になるのではなく、だからこそ自分の人生を大切にしなくてはいけない、できるだけ自分の気持ちに正直になろうと思った。そのときの僕にとって思い切り好きなことをやるというのは、もう一度アラスカに戻ることだったんです。

星野道夫『魔法のことば 自然と旅を語る』

今改めて思う僕の好きなことは、山と音楽と写真だろう。山と音楽はそこそこ楽しめればいいが(逆に体力的にも能力的にもそれくらいしかできないが)、写真はもっともっと極められる気がしている(思い込みにすぎないかもしれないが)。

勿論、今の僕の生業はコウノトリ育むお米(無農薬)作りと自食用の野菜作りだが、米作りのコツがだいぶ分かってきており、かなりの時間を要した村役も3月で退任するので、4月からは余裕ができると思う。だから写真にかける時間を増やして勉強にあてたい。半農半Xとか二刀流といった生き方になるのかな(ただXは趣味の域を超えないので成立していないのだが)。

写真は、芸術大学の通信教育を受講するか、ニッコールクラブで学ぶかのいずれかが良さそうだ。芸術大学の通信教育は2年間集中して整備されたカリキュラムをこなせばよいという効率の良さがあるが、コスパ的にやや難がある(2年間で百万円強かかる)。一方のニッコールクラブはオンラインセミナーやニコンカレッジなど多くの講座があり、比較的安価でコスト的にも優れているので、いつまでも興味関心に応じて付き合えるという気楽さや自由さがある。

ところで芸術系の大学だが、高校を卒業してすぐ入学するのは敷居が高く(特に僕のように芸術的な能力のない者には)、まずは実業を経てから目指してもいいように思う。その意味で、現役世代でもリタイヤ世代でも受講できる通信教育は優れた学び方だと思う。老い先短い僕にとっては最期に残された素晴らしいチャンスかもしれない。